2023.06.09

発電所のある町・能代は楽しさいっぱい! 「エナジアムパーク」で遊び、夏の名物「志んこパフェ」を味わおう

白神山地の懐に抱かれた能代市の海沿いには、私たちの暮らしを支えてくれる「能代火力発電所」があります。発電所に隣接する「能代エナジアムパーク」でエネルギーについて学んで遊び、夏の能代を満喫するおすすめコースをご紹介します。

大人も子どもも楽しめるエネルギーのミュージアム

(右手にあるのが「能代ねぶながし館」、正面が熱帯植物園のある「サザンドームのしろ」。奥には冒険広場、テニスコート、多目的グラウンドもあります)

「能代エナジアムパーク」は、エネルギーをテーマにしたミュージアムと熱帯植物園を併設した「サザンドームのしろ」、能代の祭を紹介する「能代ねぶながし館」、大型遊具や水遊びを楽しめる冒険広場などたくさんの施設があり、憩いの場として人気のスポットです。はじめに、「能代ねぶながし館」で能代の夏祭りを擬似体験してみましょう。

夜空を彩る能代の祭り

(館内に置かれている太鼓は、叩いてもOK! 祭り気分を味わえます)

「能代ねぶながし」は、能代で毎年8月6・7日の二日間行われる流麗かつ勇壮な祭りです。数百年前、坂上田村麻呂が蝦夷(えぞ)討伐のためにこの地にやってきた時、たくさんの燈籠を灯して蝦夷を威嚇したのが「能代ねぶながし」の起源だと伝えられています。お城を模した大きな燈籠が煌々と輝き、燈籠を乗せた山車を引く人、太鼓やお囃子を奏でる人など、祭りの賑わいを感じられます。

「サザンドームのしろ」でエネルギーの歴史に触れる

(ウェルカムホールには、シンボルツリー「エナー樹」が枝を広げています)

つづいて「サザンドームのしろ」へ。入口から、「太古の森」「エネルギーの森」「メッセージの森」へと順路を進んでいきます。大昔、恐竜の時代に地上に生えていた植物が、石炭となって電気や熱を生み出し、現代の私たちの生活を支えていることを学べます。

(約340kgの大きな石炭の塊)

およそ7千年前、人類が牛や馬などの力を使って穀物を栽培し生活していた時代、1人が1日に使うエネルギー量は約1万2千キロカロリーでした。その後産業革命が起き、エネルギー使用量はどんどん増え、コンピューターが普及した20世紀後半には約19倍にも増えたのだそうです。こうした過去から現在へのエネルギーの推移が分かりやすく展示されています。

(人類のエネルギー使用量の移り変わりを、木の大きさに例えています。「ガオー」と吠える大きな恐竜は子どもたちに大人気)

熱帯のジャングルを散策する

さらに順路をたどって、発電所から出る排熱を利用した常夏の「熱帯植物園」へ。東南アジアのジャングルを再現したドームには、約460種3,300本以上の熱帯植物が植えられています。4〜5メートルも高さのある木や、幹が樽のようにふくらんだ木、中にはバナナやパイナップルなど身近な南国フルーツの木もあり、時期によってはおいしそうな実がなっていることもあります

(耳を澄ませば、南国の小動物や鳥の鳴き声が聞こえます)

順路の締めくくりは「東北電力ギャラリー」です。能代火力発電所の主燃料である石炭を輸入する際、船で運搬しているのですが、その船に帆をつけ、風を利用して少ない動力で進めるようにした最新型のものが、昨年竣工した「ウインドチャレンジャー松風丸(しょうふうまる)」。ギャラリーには模型が展示されています。

冒険広場でピクニック&水遊び!

(冒険広場の向こうには、発電所3基のボイラー建屋と大きな煙突が見えます)

滑り台やジャングルジムのある大型遊具があり、芝生広場では家族でゆっくり過ごすことができます。小さなお子さんも遊べる親子クジラの噴水がある池や水路の水は、循環・消毒して常に清潔に保たれているので安心です。今年30周年を迎える能代エナジアムパークでは、7月〜8月にかけて楽しい周年イベントが企画されているので、ぜひご家族やお友達と遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

【能代エナジアムパーク】
秋田県能代市字大森山1-6
TEL 0185-52-2955
開館時間 9:30〜16:30
定休日 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料 無料
HP https://www.tohoku-epco.co.jp/pr/akita/noshiro.html
駐車場 140台(大型バス用5台含む)

あれもこれも食べたい! メニュー豊富な洋食屋

(能代市役所近くの住宅街に佇む洋食店「キッチンターブル」。「ターブル」はフランス語で「テーブル」のこと)

ランチは、手作りの洋食がおいしい「キッチンターブル」へ。以前はホテルで修業をしていたマスターが39年前にオープンした洋食店で、メニューはなんと60種類以上。ハンバーグ、オムライス、スパゲティ、グラタンなど馴染み深い洋食メニューのほか、珍しいメニューもちらほら。メニュー開発がマスターの趣味なのだそうです。これだけ種類が多いのに、ソースもドレッシングも全て一から手作りしているのが、このお店の魅力です。

(店内中央には、280円で利用できるセルフ式のサラダ・スープ・ドリンクコーナーがあります)

今回は、マスター自慢の「ポークカレー」を注文しました。3〜4日かけて作るカレーは、玉ねぎやにんじんなどの野菜がとろとろになって溶け込み、スパイシーな中にやわらかな甘みを感じる上品な味。隠し味にりんごやバナナ、フルーツカクテルも入っているそう。居心地の良い店内で味わう本格カレーは最高です。

(「ポークカレー(660円)」。セルフサービスのスープ・サラダ・コーヒーも付けました)

【キッチンターブル】
秋田県能代市畠町8-38
TEL 0185-54-4192
営業時間 昼 11:00〜14:00
夜 17:00〜20:00
定休日 火曜日
Twitter https://twitter.com/0kitchentable0?lang=ja
駐車場 5台

地元民に愛され続ける「志んこ®️」をパフェに

(国道7号線沿いにある「セキト」。木製の大きな看板が目印)

能代といえば「しんこ餅」。昔から各家庭で作られており、前菜・メイン・デザートのほかに「しんこ餅」というジャンルがあるのでは、と思うくらいに食卓への登場率が高く、人が集まる時やお祝いの場には必ず並べられてきました。時代の変化とともに家庭で「しんこ餅」を作ることはほとんどなくなり、代わりに能代市民の胃袋をつかんでいるのがセキトの「志んこ®️」。県産のうるち米で作った餅に、特上のこし餡を絡めた素朴な一品です。この「志んこ®️」の上にソフトクリームをのせた「志んこパフェ」を夏期限定(4月中旬〜10月下旬)で楽しむことができます。

(「志んこパフェ(500円)」)

(中に「志んこ®️」が3粒入っています。写真提供:(株)セキト)

セキトの「志んこ®️」は、うるち米を粉にしてからついているので、口の中で溶けていくようななめらかさともちもち食感のバランスが絶妙です。こし餡の甘さも、餅に合うよう糖度を研究し尽くしており、ひと粒、またひと粒とどんどん手が伸びてしまうおいしさ。ソフトクリームとの相性も抜群です。(「志んこパフェ」は「志んこ®️」の在庫状況によって売り切れの場合があり、また、店休日の前日は14時ごろ販売終了となります)

(「志んこ®️」2〜3人分・重箱なし・800円)

「志んこ®️」は1〜2人分(500円)からと量の目安が分かりやすい価格設定。重箱あり・なしも選べ、お土産はもちろんご自宅用にも最適です。お茶にもコーヒーにもよく合うので、能代の思い出話をしながらゆっくり召し上がってみてはいかがでしょうか。

【セキト】
秋田県能代市下内崎63-13
TEL 0185-54-3131
営業時間 8:30〜18:00
定休日 水曜(ほかに不定休あり、HP等で要確認)
HP https://www.sekito.jp/
駐車場 15台